Le régiment H ─ル・レジマン・アッシュ─

台湾・高雄市から土方歳三と榎本武揚を想いつつ、幕末と江戸時代ににまつわる話題を書いています。

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『幕末ニッポン』展示関連講演会(11月25日分)

今更ですが、11月25日に開催された、『幕末ニッポン』の展示関連講演会の覚え書です。
11月23日の講演会に関する記事にも書きましたが、あくまで興味を抱いた事柄を書き留めるだけで、講演会のレポでないのであしからずご了承ください。

11月25日(日)「幕末の海外情報と幕府」 岩下哲典(明海大学教授)

講演会のタイトルから、ペリー来航以降に日本に入ってきた海外情報の話が聞けるのかと期待していましたが、実際は『享保の渡来象・ナポレオン・アヘン戦争・オランダの開国勧告・ペリー・ハリス』と副題に添った内容で、わたしが期待していた内容とちょっと違っていました(汗)
でも、講演を行った岩下哲典氏は、先日読売新聞に「うつの家臣支えた尾張藩」という記事を書かれ、また以前から題名が気になっていた『江戸のナポレオン伝説』という本の著者だと知り、この方の講演が聴けるのはラッキーだと思いました。

ちなみに「うつの家臣支えた尾張藩」という記事は、1788年(天明8年)に尾張藩の御小納戸(藩主の身の回りの世話をする側近)の一人が現代で言うところの「鬱」になったが、同僚が彼を支え続けた、という内容です。

岩下氏は随所に自書の宣伝を交えながら(笑)、たっぷりと充実話を聞かせてくれました。
講演の前半の江戸時代のナポレオン情報、アヘン戦争情報、オランダ国王の開国勧告、ペリー来航予告情報について熱心に語られたので、後半が若干飛ばし気味になってしまいましたが、話が結構上手く、久しぶりに実のある講演を聴いた感がありました。
(「ハリスへの接待菓子復元」はレジュメのおかげであれだけ記事が書けました。実際の講演はお話があまり上手くなかったです^^;)

わたしの興味を特に引いたのは、江戸時代に日本に入ってきたナポレオンについての情報です。
幕末の「ナポレオン」は「ナポレオン3世」ですが、この講演の話題になったのはかの「ナポレオン1世」です。
わたしは池田理代子の『エロイカ』でナポレオンの生涯についてあらかた知り、何度かこのブログで話題にした、パリのアンヴァリッドにあるナポレオンのお墓に詣でたり、アンヴァリッド内の軍事博物館に展示されているナポレオンの遺品を見たりしているので、ナポレオンにはそれなりの思い入れがあります。

ナポレオンの情報が初めて日本にもたらされたのは、意外にも北方─ロシアからでした。
1811年のゴローニン事件に関わった(らしい)ロシア人、ムールの著書『獄中上表』にナポレオンの情報が書かれています。
また、1813年に日本にもたらされた?ロシア語の新聞には、ナポレオンがアムステルダムをフランス帝国の第三の都にしようとしている情報が書かれていたそうです。(当時のオランダはナポレオンの支配下にありました)
この時はナポレオンが栄光の座から転落しつつある時期でした。
1812年のナポレオンのモスクワ遠征の失敗も、1813年の新聞には書かれていたと思われます。
江戸時代の日本でナポレオンの存在が知られていたのは以前から知っていましたが、ナポレオンが活躍していた時期にほぼリアルタイムで日本にナポレオンの情報が入ってきていたとは驚きです。

ナポレオンの本格的な伝記が日本で読まれるようになったのは、1820年代の後半になってからでした。
1826年に高橋景保(シーボルト事件で投獄された幕府天文方)がナポレオンの伝記『丙戌異聞』を著し(または翻訳し)ました。
また、小関三英(蛮社の獄に関わった蘭学者)は1829年に『卜那枇把的紀略』、1838年に『那波列翁伝初編』という著書でナポレオンを紹介しました。
ちなみに「卜那枇把」が「ボナパルト」、「那波列翁」が「ナポレオン」です(笑)
『那波列翁伝初編』はリンデンによるナポレオンの伝記の翻訳で、原書ではナポレオンはオランダに混乱をもたらした人物として書かれているそうですが、邦訳ではマイルドになっているそうです。(京大図書館のサイトで閲覧可能です)
原書・邦訳(『那波列翁伝初編』)共に載っているナポレオンの肖像画を、講演会場のモニターで見ました。
原書に載っているものより邦訳版に載っている肖像画の方が、現在世に知られているナポレオンの肖像画に近くてビックリしました。
『那波列翁伝初編』は吉田松陰、佐久間象山、徳川慶喜、西郷隆盛も読んでいたそうです。(この面子って…^^;)
この人たちが『那波列翁伝初編』を読んでいたなら、当然榎本釜さんも読んでいたと思います。
そうでなかったら、オランダに渡航する途中で寄港したセント・ヘレナ島でナポレオンの終焉の地や墓を訪れたり、ナポレオンを偲んで漢詩を読むことはしなかったでしょう。

…ここまで書いていて『江戸のナポレオン伝説』を読みたくなったので、早速勤務先近くの図書館にWEBで貸出予約しました(笑)

いつものことですが、江戸時代のナポレオン情報について書いただけでこんなに長くなってしまい、(汗)、元々、わたしが特に興味を抱いた事柄を書き留めるのがこの記事の趣旨なので、オランダ国王の開国勧告、ペリー来航予告情報、講演の後半で話されたペリーとハリスの話については割愛します。
先日も書いたばかりですが、わたしは幕末に日本人と西洋人がどのように関わってきたのかとても興味があるので、岩下氏が講演で話されたナポレオン情報以外の事柄についても、いずれはもっと深く知りたいです。
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まやこ

Author:まやこ
2月27日生まれのうお座・AB型

舞台や展覧会を観るのが好きで、仏蘭西と西洋史をこよなく愛する歴女です。(や○い・BLは好きではないので、腐女子ではないようです(笑)

2006年の元旦に「新選組!!土方歳三最期の一日」を見たのがきっかけで新選組副長、土方歳三のファンになり、幕末の世界に足を踏み入れ、全身どっぷり漬かっています。
土方歳三だけでなく、榎本釜次郎武揚、小栗上野介忠順、中島三郎助も贔屓にしています。
彼らの足跡を追って、山の奥や海の彼方にも行きました。

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結婚に伴い、長年住んでいた武州多摩郡某村(甲州道中沿い)から武州久良岐郡(横浜市南部)に引っ越したが、2014年6月に夫の仕事の都合で台湾南部の高雄市に住むことになりました。

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