Le régiment H ─ル・レジマン・アッシュ─

台湾・高雄市から土方歳三と榎本武揚を想いつつ、幕末と江戸時代ににまつわる話題を書いています。

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史実と虚構の狭間で

今日『歴史の中の新選組』(宮地正人・著)を読了しました。
本の厚みの割には注と付録が多くて本文が少ないので、楽に読めるだろうと思っていたらとんでもありませんでした。
読み終えるのに一ヶ月以上かかってしまいました^^;

この本では近藤勇の手紙をはじめ、一次史料が多く引用されていて、それを解読するのに時間がかかってしまいました。
引用史料を飛ばせば、もっと早く読めたでしょうが、「日野宿本陣文書検討会」の会員として『佐藤彦五郎日記』の原文を読むようになったので、幕末に書かれた文章(書き言葉)に少しでも慣れたい一心で、『歴史の中の新選組』の引用史料も全部読んでみました。
それで、以前より漢文調の候文を読み下すのに少しは慣れましたが、引用史料を読む方に気を取られてしまい、筆者がこの作品で何を言いたかったのか、わたしの中でぼやけてしまいました(苦笑)

わたしはこれでも「まず史実ありき」史実第一主義なので、新選組における史実と虚構を区別する、そのためには史料の取捨選択・照合が重要、という筆者のスタンスに大賛成です。

土方歳三のファンになったのがきっかけで、歳さんや新選組に関する本を手に取るようになって驚いたのが、"史実(ノンフィクション)の新選組・土方歳三"よりも"史実を元にしたフィクションの新選組・土方歳三"本の方が圧倒的に世に出回っていることです。

何度もこのブログに書いてますが、わたしは長い間西洋史に興味を持ってきたので、それなりに西洋史に関する書籍を読んでいます。
日本語以外の言語の本を読む能力はないので(仏語にあれだけこだわりを持ちながら、本を読めるほどのレベルでありません^^;)、日本語で書かれた本だけですが、史実を元にしたフィクションよりも史実を書いた本の割合の方が多いです。
幕末史に比べると、西洋史は(ジャンルにもよりますが)日本語で書かれた本が少ないので、選択肢が少ないと言えばそれまでなのですが…

もちろん、海外にも史実を元にしたフィクション(主に小説)がたくさんあります。
その中で、昔からのわたしの愛読書『ダルタニャン物語』(含『三銃士』)はそれこそ『燃えよ剣』のように書かれたことがすべて実際にあったことだと信じてしまいそうなほど、史実と虚構が絶妙に絡み合っています。
『ダル物』に登場する歴史上の人物で、史実とは異なる人物像に書かれ、史実よりも小説での人物像の方が世間に広まってしまった人が何人もいます。
わたしはそれらの人物の史伝や歴史書を読んで、実際にどんな人物であったか知りましたが、当然ながら『ダル物』を読んだ人がみなそうするとは限りません。

『ダルタニャン物語』で描かれているのは、17世紀(1620年代から1670年代)のフランスですが、この時代に比べると、新選組の歴史は遥かに史実と虚構が複雑に絡み合い、史実を元にしたフィクションが先行していると感じます。
それを象徴する人物が沖田総司です。
彼は新選組の史実と虚構の狭間でさ迷っているように思えます。
わたしは幸いにも彼…というより彼の実家の実像を知る機会に恵まれましたが、今でも彼を細面の美青年剣士と思っている人は多いんでしょうね。

歳さんも例外ではありません。
某SNSの歳さんコミュでよく「『燃えよ剣』の土方さん、『ピスメ』の土方さん、大河ドラマの土方さん、『銀魂』の土方さんが好きです」という人を見かけます。
わたしは「どれも史実を元にしたフィクションの歳さんだよな~」と思ってしまいます。
このブログを読んでくださっている方は、史実の歳さんに興味を持っている人が大半でしょうが、某SNSの歳さんコミュには史実を元にしたフィクションな歳さんしか知らなさそうな人が結構いるので驚いてしまいます。
わたし自身が『組!!』→『黒龍の柩』→『燃えよ剣』という史実を元にしたフィクション作品がきっかけで歳さんファンになり(やはりこのルートでファンになるのは珍しいようです・笑)、歳さんが登場する小説をいくつも読んだので、史実を元にしたフィクションを否定する気は全くありません。
歳さんに限らず、史実を元にしたフィクションは史実に興味を持つ取っ掛かりだと思います。

でも、史実とフィクション(虚構・架空の出来事)を区別することは、歴史に関心があるのなら、重要なことでないでしょうか。
わたしは新選組に興味を持ってから、まだ日は浅いですが、新選組ファンが新選組関連史跡(寺院)で起こしたトラブルをいくつか耳にしました。
こういうトラブルが起きるのは、史実とフィクションを区別できないことに端を発しているような気がします。
新選組隊士が埋葬されている墓所での不届きな行為は、お墓に葬られている人物を、元から二次元の世界(マンガやアニメやゲーム等)の人物のように思っているゆえに起きてしまったのかもしれません。
約140年前には、実際にこの世で生きていた人物と認識していれば、その人物を弔い敬う気持ちが生まれ、墓前で不届きな行為を働くことはないと思うのですが…

『歴史の中の新選組』の読了報告だけ書くつもりが、長くなってしまいました(苦笑)
引用史料の漢文調候文で頭が疲れてしまったので、次は気分転換に『憑神』(文庫版を今日入手しました)と『幕末新選組』を読むつもりです。
(木内さんの小説を読むのはもう少し先になりそうです>Yさん)
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Author:まやこ
2月27日生まれのうお座・AB型

舞台や展覧会を観るのが好きで、仏蘭西と西洋史をこよなく愛する歴女です。(や○い・BLは好きではないので、腐女子ではないようです(笑)

2006年の元旦に「新選組!!土方歳三最期の一日」を見たのがきっかけで新選組副長、土方歳三のファンになり、幕末の世界に足を踏み入れ、全身どっぷり漬かっています。
土方歳三だけでなく、榎本釜次郎武揚、小栗上野介忠順、中島三郎助も贔屓にしています。
彼らの足跡を追って、山の奥や海の彼方にも行きました。

ブログのタイトルは仏蘭西語です。意味と由来はこちらをご覧ください。

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結婚に伴い、長年住んでいた武州多摩郡某村(甲州道中沿い)から武州久良岐郡(横浜市南部)に引っ越したが、2014年6月に夫の仕事の都合で台湾南部の高雄市に住むことになりました。

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